目次
【1】マロニエから眺める下呂温泉
マロニエからの下呂温泉を眺めていると、下呂千年の確執が見えてくる。湯之島・森・幸田の3すくみは、ビジネススクールの絶好の事例になる。
【2】オテル ド マロニエの所在地
下呂温泉の主力事業所は、いまとなると、崖っぷちか、山の斜面にあるようにみえる。マロニエの創業者は、日本人が余暇志向すべきと考えたが、創業者の周囲は大反対だった。
【3】大宴会場を排し、洋室中心に
大旅館大繁盛の時代に、次の間付客室や大宴会用大広間をやめて、洋室を取り入れ、「温泉ホテル」を目指したが、先行業者の反発に会い、温泉の自力掘削の道を歩んだ。
【4】温泉はだれのものか
益田川氾濫の都度、投資をしてきた湯之島は、下呂温泉こそ自分たちのものという意識がある。「温泉権」は、先行事業者保護か、既得権打破か、マロニエは、我が道をゆき源泉を確保 し、バブル崩壊を乗り越えた。
【5】ゆとりプラン
1日1600kcalの範囲で食事を提供する。ゆとりプランは、6泊7日、17食、1名1室で会員50,000円、健康志向の滞在商品である。減食して、 毎日何回も温泉に入って、そこらじゅうを散歩しながら、課題を抱えて、実際、1週間を過ごしてみると、観光にはない、滞在独特の充実感を味えた。
【6】ぴんころ地蔵のこと
マロニエ下呂温泉20周年記念事業で、健康で長生きし、楽に大往生を祈念して建立されたという。ゆとりプランの到達点を象徴しているのかもしれない。ふだんとちがったところで、1週間の滞在をどう過ごすか、ゆとりプランでは、これを考える効果も大きい。
【7】過ごし方の分類
ゆとりプランの年間の利用者は2000件程度。その利用実績をベースに、過ごし方を分類してみると、ゆとりプランの滞在はいろいろな可能性をもっていることに気づく。
【8】杤本(とちもと)農園・ガン封じ寺・飛騨小坂町の温泉など
杤本(とちもと)農園はマロニエ創業者の縁者が経営するフルーツトマト農園である。 ガン封じ寺(金錫山地蔵寺)は出羽三山に由来をもつが、たたずまいがむしろほほえましい。旧・飛騨小坂町の温泉はめだたないが、効能は大と思い紹介する。
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